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カン・ドンウォンの「デュエリスト」 その2





















 タイトルの「デュエリスト」というのは、なかなか若者向けかマニア向けという語感ですね。

 実際に「遊☆戯☆王デュエルモンスターズGX」などは有名なカードゲームで、日本でもかなり前からちびっ子に流行っていました。

 dueler(名)決闘者。闘争者。という意味で、この映画のストーリーでは女刑事と刺客は宿敵となります。互いに闘う身でありながらも惹かれあっていくという悲しいラブストーリーでしょう。これは「チェオクの剣」を観て、物語を十分理解し楽しんだ人でないと、この作品を楽しむのは難しいかもしれません。

 アニメの世界で「機動戦士ガンダム」というとっても人気のある映画があります。これはモビルスーツで闘う未来型戦士の物語ですが、この関連商品として「SDガンダム」という2頭身のプラモデルが開発されました。リアルタイプと比べるとコミカルで可愛いのですが、特徴がよく出ています。ガシャポンやゴムの人形などで簡単に手に入り、オリジナルの変形ですがキャラクターとしてはとても人気が出ています。

 このように、原作を離れて発展していくものもあるのでしょう。「デュエリスト」という映画はそんなふうに拡大解釈して生まれたもののようです。原作を良く知っている人たちが、さらに拡大されたストーリーなり、画像の雰囲気なりを楽しむための作品は、ストーリーの分からない人には不評だとは思いますが、一般向けするやさしい作品では表現できない、マニア向けともいうのでしょうか、さらに突っ込んだ作品つくりのされている映画だと思います。

 私の感想はこれくらいにして、いろいろな評判の中から、この作品を上手く表わしている文章を抜粋しました。

ネタバレにご注意!



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脚本ではなくイメージで見るべき映画…odys


そう悪くない作品だと思います。

まず注意すべきは、これは脚本で見せる映画じゃないということ。筋書きの一貫性だとか細かい工夫、設定が時代背景に合致しているかどうか、なんてことは気にしないで見なくてはなりません。なにしろ、日本の室町時代に製作された剣が朝鮮に入ってきていて(そこまではいいけれど)、その剣になぜか「夏草や、つわものどもが夢のあと」という芭蕉の句が刻まれているってんですから、真面目に考えちゃいけません(笑)。

じゃあ、何を見るべきなのか。場面ごとの効果、イメージ、そして言うまでもなく主演二人の思い、といったところです。そういう面から見るならば、この映画は決して駄作ではなく、むしろ平均を少し超える出来と評価できると思います。

二人の殺陣は、いわば二人が舞踏に興じているのであって、ヒーローとヒロインの愛の表現なのですね。特にラストシーンでの幻想の殺陣では、そういう暗示が強く出ていると感じられました。

惜しむらくは、ヒロインのヒーローに対するねじれた想いがイマイチよく表現されていないこと。強いけれどがさつでドジなところもあるヒロインが女っぽくなっていく過程をもっと出すべきだった。
また、二人が2度目に戦うシーンでも、ヒロインは最初たるんだ顔をしているのですが、殺すか殺されるかなのですから、いくらヒロインに滑稽味があるという設定でも、最初から真剣な表情でないとおかしいでしょう。
こういうところがうまくいっていれば、傑作と言っていい作品になったのではないでしょうか。

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 odysさんの言うように、イメージで観るというのはアニメなどのファンタジー作品には大事なことのようです。原作や登場人物をあらかじめ知っている上で、その作品の場面場面を丁寧に表現するというのは、ファンにとってはこの作品をもっと楽しむことになると思います。

 私も一回目に観たときは、何だか説明不足のように感じましたが、二回目に観た時には映像の美しさと、華麗な舞い、初恋のドキドキ感などが良く表わされていると思いました。ちょっと映画の味わい方を変えてみると、大変良い作品だというのが分かります。

 これはオタク傾向のある人に向いているのかもしれません。

 私は…ちょっとオタクかな。


 続く
by arrive_at | 2006-10-25 14:10 | デュエリスト

CHANEL ROUGE ALLURE 24 EVOCATION


by arrive_at