CHANEL ROUGE ALLURE 24 EVOCATION


by arrive_at

チェオクの剣 第13話「縁切り」 その2

その1の続きから。
 

私の旅は、伊勢神宮「お木曳き」という神宮行事を見ることでした。瑞穂の国といわれる日本の天皇を中心とした生活や文化があった時代からは今は遠く離れていますが、この地には今も天照大御神(あまてらすおおみかみ)が皇大神宮(こうたいじんぐう)にまつられています。

 天照大御神は、神話によれば高天原(たかまのはら)において農耕・養蚕をはじめられた神だそうで、天孫瓊々杵尊(てんそんににぎのみこと)の降臨に際しては天上の清らかな稲(斎庭の稲穂《ゆにわのいなほ》)を地上において作るように託されたそうです。

 この時に三種の神器といわれる、八咫の鏡(やたのかがみ)・八坂瓊勾玉(やさかにのまがたま)・天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)(草薙剣《くさなぎのつるぎ》)を授けられたそうです。それで天照大御神のまつられている内宮(ないくう)にはこれらの三種の神器が今もまつられています。

これは玉纒御太刀(たままきのおんたち)といわれ、鈴をつけ琥珀・瑠璃・瑪瑙(めのう)・水晶をちりばめ、鞘には300丸の五色吹玉を纏っている。神宝の太刀のなかでも最も華麗な拵(こしら)えである。









 どこの国にも歴史と文化があります。現代に生きる私達には、その時代を想像することしかできませんが、人の暮らしにはそれぞれのドラマがきっとあるのでしょうね。

 



 さてチェオクの剣ですが、前回の最後は洞穴(ほらあな)に落ち、骨折をしたり、毒虫にかまれたりで生命に危険を及ぼしながらも、ついにソンベクとチェオクは滝の裏に這い出て、毒虫の毒で意識不明のソンベクを伴ってチェオクが滝つぼから現れます。そこにはユンら捜索隊と謀判者に5年前から丸め込まれた近隣の役所の兵がまさに戦わんとしているところでした。

 水に浮いたソンベクはユン側に捕らえられ、チェオクはわざと謀判側に捕らえられて、ソンベクと人質交換をさせようとします。

 ユンはソンベク逮捕の使命を優先させるために、剣を突きつけられたチェオクを助けるとも言わず、ソンベクの交換を拒否します。居合わせたユン側の参謀ペク・チュワンが「生きている者ならまた捕らえることが出来ますが、死んでは命を蘇らすことは出来ません」というようなことを言って、ユンには許可なしにチェオクとソンベクを交換します。

 チェオクにはソンベクが助かることでホッとしたような表情になりますが、戦いの後ユンはチェオクを縄で縛り捉えるように部下に命令します。ソンベクを取り逃がしたことへの罰でしょう。



 
ネタバレにご注意!
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 一命を取り留めたソンベクは、スミョンらが見守る中ほぼ1日意識を失っていた。同じ毒虫の毒を使った針での施術を受けたソンベクは、ようやく意識を取り戻す。その場に居合わせたタルピョンは、茶母があれだけの毒を使う間何をしていたのか、正体を知りながら何故殺さなかったのかとソンベクを問い詰める。

多数の仲間の命が失われたことを聞かされたソンベクはスミョンの力を借りてようやく起き上がる。ソンベクが向かった先は 、ソンベクや仲間の命を守るためにこの世を去ったカッチュルの弔いの儀式だった。村人達がカッチュルの死を悼む様子を見て心を痛めるソンベクは、カッチュルの墓に抱きつくように伏しているカッチュルの娘の元へと歩み寄る。
「お父さんはいつ起きるの?」と問いかける幼い女の子の純粋な瞳。ソンベクは彼女を抱きしめ、悲しみと怒りとで涙が溢れ出す。









































 山を去ろうとしたとき、砦(とりで)のふもとの村が襲撃されているという知らせが入る。ソンベクは直ちに救出に向かうがすでに村は壊滅、そこにはノ・ガッチュルの遺児ヤンスンの無残な姿もあった。












 再び闘志を抱いたソンベクは戦列に復帰する。ソンベクを引き止めるため、チェ・ダルピョンが村を襲撃させたことなど知る由もないソンベクだった。

 セウク長官は謀反一味の黒幕を突き止めるため、自らおとりとなる決意をファンボ・ユンに宛てた手紙に残す。そして謀反側のスパイと目されるチョン武官に導かれるがまま、単身森ヘ向かう。

 姿を現した黒幕、チョン・ピルジュンに懐柔され、セウク長官は思わせぶりに態度を保留してみせる。そこへ、セウク長官を探す捕盗庁(ポドチョン)の兵士たちの声が聞こえてくる。セウク長官の手紙を読んだ娘ナニが捜索隊をよこしたのだ。セウク長官はその場で切られ、意識不明の重体となる。

 野営中のユンらはカトウ一味から銃撃され、その混乱に乗じてユンはチェオクを逃がす。一方森では、ソンベクが目の前の木に吊るされた女性、チェオクを斬るよう、タルピョンたちから迫られていた。頭巾をかぶせられ顔は確認できないが、その女性の肩に傷跡がないのを確かめたソンベクは、一太刀で斬殺。

 その一部始終をチェオクが見ていた。ソンベクが迷いを見せず自分を斬り捨てたことにショックを受けるチェオク。「チェオク」として斬殺された女性の正体はマ・チュクチの妻だった。チェオクは遺体を背負い、左捕盗庁(チャポドチョン)に戻る。

 ユンはチェオクの茶母(タモ)復帰を認める一方で、ナニとの将来を本気で考え始める。セウク長官の意識はいまだ戻らず、現場には何一つ手がかりが残っていない。セウク長官が所持していた刀を見つめていたユンは、金が付着していることに気付く。金のクアンジャの着用が許されるのは9人の大臣のみだった。ユンは一人一人会いに出かけ、ついに謀反一味黒幕の正体を知る……。
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 この回のエントリ「その1」ではテレビ放送をしっかり見ていなかったので、部分的にどうしたのかという疑問ばかりでした。しかし、ビデオを再び見ると、ソンベクの立場と本人の苦悩がしっかりと描かれていることに気が付きました。

 ほら穴でのチェオクとの会話の中で、ソンベクはなぜチェオクを何度も助けたのかということが明らかになってきます。

 チェオクが弾に当たって落馬したときも、ほら穴に落ちそうになって手を差し伸べた時も、全てが妹の幸せを願ってであり、その延長線上には苦しむ民を救い、自分達兄妹のように身分を落として生きていかなければならない世の中を変えるという、ソンベクならではの正義と理想があったからでしょう。殺し合いや争いを好んでいたわけではないのです。

 そんな理想とは裏腹に、謀反を取り締まる側のポドチョンのタモとしてチェオクが現れ、そのチェオクでさえも身分の低いものとして人並みに扱われてはおらず、この時代の生きることの困難さに翻弄されていました。

 ソンベクはそんな世の中を残念に思い、家族で幸せに生きることを夢み、チェオクとの出会いの中で謀反と殺戮の繰り返しに空しさを感じていたのではないでしょうか。

 ほら穴でのつかの間のチェオクとの時間が残酷な現実から引き離し、ほら穴から出ればまた敵同士として命を奪い合うという悲劇に悲しんでいたのかもしれません。そして、チェオクへの愛の告白は、生きるということの最後の希望だったのでしょうか。


 ほら穴から逃げ出し、毒により瀕死の状態だったソンベクにとって、助けられた命はもはや抜け殻同然だったようです。チェオクへの実らぬ思いと、革命という名の命の奪い合い、自分の無力に絶望し、放浪の旅に出ようとするソンベクは悲しい運命を背負っています。

 それにしても官僚というか政治家は冷酷で残忍ですね。そんなソンベクの心を利用してまでも謀反を成功させる為に、ひどい殺戮を実行します。ひどい。政治家なんてきらいだ~。




 その3に続く。
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by arrive_at | 2006-10-25 13:51 | チェオクの剣